東京タワーを階段で登った話

東京タワーは階段で登ることができる。

これは東京タワーのサイトにも書いてあるし、
いろいろな人がブログ等に書いているので、
割とよく知られていることではないかと思います。

自分も以前から興味はあったのですが、
都心の観光地なら近いからいつでも行けるという心理から
結局いつまでたっても行かないという例の感じで、スルーしていました。

というより東京タワー自体に関心が薄かったかもしんない。
高いところから景色を眺めるのは嫌いじゃないけど、
東京には街を展望できる高い建物がいろいろあるから、
そこであえて東京タワーという感じでもなかったですね。

でも、自分の足で歩いて登れるというのはやっぱり興味がそそられました。
だってエレベータより階段のほうが絶対おもしろい。
階段とは、足場を段々に積み上げていくことで
高いところへの移動を可能にするというすごい発明なのですよ。
それに見た目にも美しい構造をしているではありませんか?
その等間隔のステップを一歩一歩踏みしめながら徐々に高度を上げていくプロセスは
狭い部屋に詰め込められて耳がキーンとなって終わるだけのエレベーターより
ずっとワクワクしませんか?別に同意は求めないけど。

ともあれ、東京タワーに行ってきました。そして階段を登ってきました。

所要時間にしたらちょうど10分で登り切りました。
高さ150mの大展望台まで約600のステップ。
周囲を見渡しながらゆっくり登ったので、呼吸が乱れることもありません。
あっさりと上までたどり着いてしまい、
あまり達成感を得るという感じはなかったかな。それでも登って良かったです。

何が良かったのなと考える。
外の階段を登るので景色が見えるのがいい。
安全のために張られた金網越しではあるけれど、景色が見えるのと見えないのでは大違いですね。
でも、景色なんて展望台からいくらでも望めるわけで
一番は鉄骨が良かったんじゃないかと思います。

何型と言ったらいいのかわからないけど、あの東京タワーのトンガった形を構成する鉄骨。
あの鉄骨の構造を間近に見ながら登るのですよ。鉄骨フェチにはたまらないものがありますね。
そして、想像するのです、東京タワーに手をかけ足をかけよじ登るキングコングを。
自分が登っているのはただの階段だけれど、
キングコングと同じように東京タワーの鉄の構造の一部に足をかけ登っている、この制圧感。
これが東京タワーを階段で登る醍醐味ではないかな。
多分、サンシャイン60を階段で登るのとでは違う感覚があるはずだ(登れるか知らないけど)。

ところで、このあと六本木ヒルズ森美術館に行ったので、
そこの展望室にも行ってきました。
高さとしてはこちらのほうが高い。
やはり単純な展望台としてみると、東京タワーでなくてもいいよね。